ライブハウスの閉鎖が相次いでいる。4月8日現在、閉鎖が決まったライブハウスは、『高円寺ペンギンハウス』『池袋CANOPUS』『新宿J』『四谷LIVE SPACE ANIMA』などである。いずれも新型コロナウイルスが閉鎖の原因である。4月6日に音楽団体「セイブ・ザ・リトルサウンズ」がライブハウスを対象に行った調査結果を発表した。今後の見通しについての項目では、経営が「3カ月持つか分からない」という回答が48%。「1カ月持つか分からない」という回答も20%に上った。これ以上閉鎖に追い込まれるライブハウスを増やさないためにも、政府主導の金銭的な支援が急がれる。
そんな中、用賀に店を構えるライブハウス「キンのツボ」では、クラウドファウンディングによる運転資金の回収に成功している。(4月8日現在)
キンのツボはジャズミュージシャンでは知らない者はいないほどの有名店である。そのような著名なライブハウスでも新型コロナウイルスの影響により、経営状況が悪化し、閉店の危機が迫っていたのだ。
これを機に、様々なライブハウスでもクラウドファウンディングによる運転資金の調達が始まった。『京都クラブメトロ』『中野 heavy sick ZERO』『八王子papaBeat』など、いずれも募集終了までの日数を残し、目標金額を大きく上回る資金が集まっている。
クラウドファウンディングの新たな活用方法によって、運転資金の回収に成功したライブハウスがある中、体力のない、より小規模のライブハウスは閉鎖という苦渋の決断となった。クラウドファウンディングによる運転資金の調達は一時的なものに過ぎないため、やはり経済的な支援は急務である。
小林篤茂