新型コロナウイルスの影響によるライブハウスの閉鎖が相次ぎ、経営難に陥ったライブハウスを援助するためのプロジェクトが各地で起こっている。

 注目すべきは、ミュージシャンがライブハウスを支援するという動きである。ライブハウスという演奏空間の閉鎖により、ミュージシャンの収入は激減している。そのような状況下においても、なおライブハウスという演奏空間の存続を願っているのである。

 音楽配信・情報WEBサイトOTOTOYが、ミュージシャンの音源の売上を、希望するライブハウスへ届ける支援企画『Save Our Place』を4月6日からスタートさせることを発表した。売り上げは、各種手数料と著作権使用料を除いた全額送られる。また支援したいライブハウスをミュージシャン / レーベル側が選択できる。新曲、新録音源、無観客ライブ音源、スタジオ・ライブ音源、アコースティック弾き語り音源などが『Save Our Place』の対象音源となる。

 本企画に先駆けて、先日「小岩BUSHBASH」に所縁のあるミュージシャンたちが無観客ライブを開催し、ライブ・レコーディング音源を録音。その音源は『CRYMAX BROADCAST~SAVE THE BUSHBASH COMPILATION』というタイトルでOTOTOYから4月6日に配信され、収益は小岩BUSHBASHに送られる。

 ライブハウスは相当な打撃を受けており、運転資金もままならない状態となっている。この状況が続けば多くのライブハウスは閉店してしまう。そのため、ミュージシャンが自分たちの演奏場所を守るためにプロジェクトに参加することは自然な流れだろう。
 しかし、ライブハウスはミュージシャンからノルマや出演費が運営資金となっているところも少なくない。ライブハウスのノルマ制については、ミュージシャンからの搾取ではないかという議論も見られる。コロナ騒動が収まった際にはミュージシャンへ還元するということを忘れないでほしい。

小林篤茂